八王子市の予算審議が3月議会で行われています。

私は議員として直接ヒアリングをすることができない立場になってしまいましたが、この審議の模様をインターネット視聴や傍聴したり、予算書を傍聴の時に見たりする中で、八王子市が進めようとしている政策が少しずつ見えてきました。

問題だと感じたのは、マルベリーブリッジの延伸計画についてです。
使いづらいマルベリーブリッジの改善が進むのかと思いきや、その改善については、先延ばしで、京王八王子駅方面にまでとりあえず延伸をするだけという計画です。
このまちを本当に再生させていく気があるのなら、行き当たりばったりを止めて、もっと人の動線を考え、八王子をどのようなまちにしていくのかなど、まちづくりのソフトの検討をしっかりとした中で、ハード整備を行ってほしい。今回の計画は、ぜひ見直してほしいと思います。

過去の反省が生かされていない

商業施設として、最期のデパートそごうが撤退し、人口58万もの都市にデパート一つ維持できないのかと、市民の間でも、八王子の商業のあり方、そして、行政のあり方が問題となりました。
今回選挙で当選した、石森新市長は、選挙の公約で述べていたように、所信表明でも、真の多摩のリーディングシティNO1を目指して攻めの戦略をしていくとしています。

ナンバーワンだなんて、時代錯誤もいいところのキャッチフレーズにしか私には思えませんが、ナンバーワンを言い出すくらいなら、まずは、なぜこの八王子のまちづくりが今のような経過をたどることになったのか、総括をし、しっかり反省を生かしながら、新たなまちづくりをしてほしいと思います。

この八王子のまちづくりがこのように衰退の一途をたどることになったのかといえば、やはり、利用する人が使い勝手がいい、魅力あるまちを作っていこうという意識と取り組みが、事業者や、行政の中で、十分で無かったことが最大の原因だと私は思います。

一部の事業者の意向を踏まえ、使い勝手の悪いマルベリーブリッジを市は作ってしまいました。また、そごうの店舗についても、大きな店舗は作らせたくないという近隣事業者の意向を受け、縮小規模の店舗の展開になったと言われています。
わざわざ足を引っ張るような計画を進めてしまったわけですが、使い勝手がよく、買い物がしやすい魅力があるまちであれば、どんどん人が集まってにぎわいにつながるはずで、逆に使いにくいことが、お客さん離れを生んできたことをしっかりと認識する必要があると思います。
また、まちづくりのハードは、一度作ってしまうともう一度工事をしてハードを変えることはとても難しいことは、八王子市自体がいやというほど感じているだと思います。
しかし、ここにきてまた、先にハードを作ってしまえば、後からああすれば良かったこうすれば良かったという話になって、せっかく巨額の予算を投じてもいいまちづくりにはならないと思います。
今回の予算で取り組むとしている、八王子駅北口のマルベリーブリッジの延伸計画は、市民からの改善要望が数多くあるにもかかわらず、その問題は先送りして延伸だけをするという計画は、あまりにもお粗末だと思います。

市民から改善要望が多いマルベリーブリッジについては、全く手を付けないで延伸だけをする拙速な計画は見直しを
多くの市民の方が、マルベリーブリッジや北口の使い勝手で不便を感じている点は、
・東急スクエアビルなどの隣接する建物に行けない。
・西放射線道路にもすんなり行けない動線になっている。
・一般車両の乗り入れ規制のために、八王子駅北口に車で送迎をする車両が、他の道路で車を止めて、送迎をせざるをえないため、交通の妨げを作ってきた。
・バス乗り場がわかりづらく使い勝手が悪い、とくに足の悪い高齢者、障害者に不親切

市は、13億8000万円もの予算をかけて、延伸工事はするものの、マルベリーブリッジの使い勝手の悪い点について、改善を図るための取り組みには、バス事業者やタクシー事業者との協議をしなければならないので、すぐにはできないから、今回は東放射線への延伸工事をして、京王プラザ前の横断歩道当たりの安全確保を最優先にするとしています。

確かにあの横断歩道は、歩行者も車も危険地域として認識している方が多いと思います。人身事故は、平成18年から20年で7件ということで、事故はゼロにする対策が必要ですが、何も今回、そこの安全対策をすることを最優先にして、マルベリーブリッジ全体の動線の改善に対するビジョンを作る前に、13億8000万円を投じてやる事業ではないと私は思います。

交通誘導員を配置して、安全対策をし、マルベリーブリッジの改善計画、そして八王子駅周辺のまちづくりをどのように再生していくのかの全体像が決まった時点で一気に工事をしても決して遅くはないと思います。
動線をありとあらゆる点から考察し、まちの発展、再生を目指し、トータルビジョンをしっかりと作るなかで、ハードの整備にも手を付けてほしいと思います。