9月30日、決算総括質疑の委員会傍聴をしてきました。

2期の市議会議員の経験と、市民の立場から感じたことがたくさんありました。

決算質疑とはどうあるべきか・・

決算の質疑は予算質疑と同様に極めて重要です。

決算質疑とはどうあるべきか・・・。

まず、どのように予算がどのように執行されたのか、また不用額が出た場合は、何が要因か、市民生活の課題はどのようなものだったのか。それを見据えて、来年度予算はどう編成されるか、こうしたことを念頭に質問を構成し、質疑が行われる必要があります。

また行政に対し、市民の代表として議員はきちんと見ているんだから、いい加減なことは許されませんよとチャック機能をしっかりと持つ、緊張感を提示できるような質疑も大切だと思います。

今回の総括質疑の印象

今回、決算の総括質疑を傍聴して感じたことは、ベテラン議員が少なくなり、1年生議員が増えた議会になっていますが、質疑を聞いていると聞いていると、事前の行政ヒアリングで聞いておくようなことを本番で質問したりするような場面が結構ありました。

「なんだか廊下で聞くような話の質問が増えたね。」とぽろりともらす市の職員がいましたが・・・・。正直、私もそれに近い印象を持ちました。

一年生議員は、もちろん私も経験していますが、制度そのものを理解することができていないとうまく質問も核心を突いてできません。

私が、最初の委員会で質疑をした後、ある先輩議員から、「質問というのは、自分の知らないことを聞いてはだめで、自分が知っていることを聞いて、問題点を指摘するような質問をしないとだめだよ。」ということでした。

こうアドバイスを受けてから、質問をするには、事前の準備として、データなどあらかじめ行政側や他の自治体、研究機関のものを入手してから質問をすることや、行政側の意見に対し、市民の実感はどのようなものなのかしっかりと市民意見を把握しておくことの重要性を痛感し、できるだけそのように努めてきたつもりです。

データも持たないで、具体的な市民意見も聞かないまま、「これが大切だ」と自分の思いで質問したとしても、結局、理念だけのやりとりになってしまって、行政側に「大切なことなのでやっていますよ。」と答えられたら「そうですか。ではよろしくお願いします。」という話になってしまって、次の質問を展開して、詰められなくなってしまいます。

厳しいチェックができる議会に!

契約案件についても、3000万未満の専決処分のものが結構あったようですが、総額にすると本来なら議会の承認を経なければならない金額になっている現状もあるという指摘がありました。議会が軽んじられると、工事案件について、予算の増額を細切れに専決処分扱いにして、多額の税金がどんどん執行できる状況を作っていくことにもなりかねません。

工事の受注における談合問題などはあってはならない。議会は厳しく見ているという、議会としてのチェック機能をきちんと保持できるよう、しっかりと勉強して、議会全体の資質を高めていく必要があると思います。

厳しくチェックするという意味では、決算の総括質疑の時間は少ないなと思います。

代表質疑ができたのはいいのですが、やっぱり一問一答の時間はもっと確保してほしいと思います。

調査能力を高め、具体的提案ができる議会を!

議員が、行政に対し、このことはどうなっているのかという質問ばかりでは、質問しても市民生活は決して良くなりません。

たとえばそごうの撤退問題など、市側の意見を聞くばかりの質問になっていますが、最終的には、こうしたらいいという具体的な手法が提案できなければ、問題点だけを指摘しても質問によって改善はされないと思います。

議会が調査能力を高めて、政策提案できる議会にしていくことも今後は重要ではないかと思います。

また、従来型のあれをやって、これをやってと要望するだけでは、予算が限られている現状で、現実的ではない身勝手な提案になります。

財源がこれだけしかない中で、何を最優先課題にするのかを見極めながら、少ない予算でもこういう政策で、こうやればうまくいくというようなことを提案をする議会になってほしいなと思います。

議会を育てるために、市民の意識も大切

そして、そのためには、市民としてもしっかりと市政の実態を把握し、厳しい財政状況の中で、何を選択するのか考えていくことも大切です。

たとえば、再開発事業などの土木工事を含めたまちづくりを優先とするのか、介護や福祉、子育て支援の充実を優先とするのか。

議会を育てていくには、市民の意識も重要だと思います。