### めじろ台発、東京消防庁との連携でスタートした医療情報伝達の新たな方法です ###

お尋ねがあった救急医療情報キットは、めじろ台・安心ねっとの働きかけがもとで、スタートしました。

自宅で倒れた時などに、救急車を呼ぶ際、救急医療情報キットの情報を救急隊の人に渡すことで、医療関係者に正確な医療情報を伝えることができるというものです。

ねじろ台・安心ねっととめじろ台の町会とが一緒になり、東京消防庁との交渉を重ねたことで、東京消防庁の連携が可能になり、2010年にスタートしました。

(対象はめじろ台地域の希望者です。)

### 東京消防庁の救急活動基準も見直しに! ###

私も安心ねっとのメンバーとして導入に当たって、活動し、議員として消防署や市との交渉など行い推進してきた立場ですので、詳しく説明させていただきます。

もともと日の出町やあきる野市での地域的な取り組みが行われていたものを参考に、めじろ台住民の独自の創意工夫も入れました。

地域住民が中心となり、救急医療現場の医師や研究者も参加。

アンケート調査や実践的検討を重ねました。

その結果、これまでネックとなっていた
東京消防庁の救急活動基準の見直しにもつながりました。

### キットがあると何がいいの? ###

キットがあれば、救急車を呼んだときに、それを渡すことで、きちんと医療情報を伝えることができます。
病歴や常用している薬の医療情報や緊急連絡先を記入した書類を筒の中に入れ、冷蔵庫に入れておいておきます。
玄関ドアにはキットが置かれていることがわかるようにマークを付けておきます。

具合がわるくなって救急車を呼んだ時、自分やあるいは立会人が救急隊員の人にキットを手渡すか、救急隊員にキットを冷蔵庫から出してもらい、救急隊員がキットの書類を医療関係者に渡すことで、その人の情報を正確に医師につないでいくことができます。

### 医療情報がないと命取りになるケースも・・・。 ###

たとえばアスピリンのアレルギーがある人にアスピリンを投与すると命取りになるケースもあります。

高齢者だけでなく、こうした特異体質がある人や若い人でも病気のある人には、
たとえ自分で正確に説明ができない状況にあっても、医療情報があることで、早く適切な処置を受けられることになり、結果として自分の身を守ることにもなります。

(特に特異体質の人は、普通の人に行って問題ない処置が、命取りになることもあるので、常に医療情報は肌身離さず持ち歩いた方がいいそうです。
意識が無いときには、自分の情報を自分で伝えられませんから!)

### 救急医療現場の医師からも高い評価!  キットがあれば多くの患者の命を救うことに###

また救急現場の医師からも医療情報はぜひ用意してもらえると本当に現場としても助かるというお話でした。

ひっきりなしに救急患者が運ばれてくる救急現場で、患者の医療情報が皆無だと
治療が一かバチかのかけになることもあるので、医師たちはその患者の状況を把握するのに検査等に追われ、患者の状況把握にまず時間がかかるそうです。

医師としても何が起きるか予測がつかない状況は、不安で慎重になり、判断に時間がかかってしまいます。

反対に、一人の人の医療情報が正確な形であれば、一人の人にかかる処置が短くなり、多くの患者さんを受け入れることになります。

結果として救急医療の現場で多くの人を治療できることになります。

### 地域での活動と粘りづよい交渉の成果 ###

私も、めじろ台・安心ねっとのメンバー、そして、議員として、活動メンバーと一緒に何度も消防署に掛け合いにいきました。

当時は消防署の課長さんからは、「救急活動基準から言えば、キットを冷蔵庫から取り出すことはできない」と消極的な姿勢でしたが、

何度も交渉を重ねるうちに、立ち会い人をつけることと本人の合意書を書いておくことで、OKという判断がされ、地域の設置導入の運びとなりました。

そして最終的に、ネックであった、東京消防庁の救急活動基準の見直しにもなりました!
救急隊員は救急搬送される人の持ち物に触れてはいけないと規定がなくなったのです。

ねばりづよく活動と交渉を続けてきた成果だと思います。

###  多くの地域でのぜひ導入を! ###

この救急医療情報キットは、多くの地域で活用されたらいいなと思います。

命を守るためにとても重要で有効な取り組みです!