八王子市では、ニュータウンを抱えるため、若い世代の流入もありますが、全体的には、急速に少子高齢化が進んでいます。
高齢者福祉の充実をするにしても、若い世代を応援する子育て支援の充実にしても、市税収の確保は欠かせません。ところが、今、八王子市では、生活保護世帯が急増し、ますます税金を払わない人、払えない人が増えています。

安心して生活するには、雇用の確保は極めて重要です。しかし、市が展望として掲げる物流拠点構想のもとにおける雇用の確保というのは、疑問を感じざるを得ません。

物流拠点実現に必要な環境整備として、北西部幹線道路などの整備や西インターのフル化があげられてきましたが、こうした環境整備には、莫大な費用が必要です。

北西部幹線道路は、総事業費450億円もかかると言われてきた道路です。年間の道路事業費が20億円程度なのに、市税収入が減収し、福祉への市民ニーズは高まる中、どうやってこの道路の整備をするのか疑問と言わざるをえません。
万が一、市がこうした開発事業に固執し、莫大な市税を投入すれば、市財政を悪化させることになり、市民の皆さんが求める高齢者福祉や、子育て支援、また教育の予算も後回しにされる可能性も十分にあります。
すでに八王子市における教育予算は、多摩地域の自治体に比べてもおそまつで、23区との比較では雲泥の差となっています。

これまでも私は、再三指摘してきましたが、物流拠点整備事業は、見直し、中止をすべき政策です。
黒須市長の後継である石森さんは、物流拠点整備事業の推進を掲げていますが、この事業は、一部の事業者の方向を向いた、本当の意味での産業振興にはつながらない事業であり、市民生活を考えれば即刻見直しだと思います。

市は、新たに山を崩してこうした用地を確保しなくても今、途中まで造成されて活用されていない業務用地はたくさん残っています。

こうしたあるものをしっかりと活用しないで、緑を壊して、多額の税金を投入する事業を今の社会情勢の中で進めるとするのは、まさに発想が時代遅れだと言わざるを得ません。

現実的には、インターのフル化ができなければ物流拠点は魅力がないと事業者がアンケート調査で答えています。

また、市は物流についての需要調査はまったく行っていません。事業実施を考えるなら慎重な調査が必要ですが、調査もやらずに開発事業に手を付けるというのは、今の時代行政のやることではないと思います。

物流拠点整備事業の構想は、きわめて非現実的であり、万が一実施すれば、多くのマイナスを市政にもたらすことになると思います。

市民のことを本当に考えているのなら、今すぐにあるものを最大限生かし、できることから、雇用の確保に向けた産業振興のあり方を市は、模索して行くべきです。

市政のリーダーである市長の考え方が、私たちの市民サービスに大きく影響をしていくことを認識し、今度の市長選では、選択していく必要があると思います。