今回の一般質問では、学童保育と学校図書、高齢者の外出支援から見たバス交通の充実について質問しました。

### 学童保育所について ###

### 今回の質問の視点・・・学童における指定管理者制度のデメリットを解消していくために ###

学童保育所に指定管理者制度が導入されました。指定管理者制度では、よりよい事業者を選定し、問題があった時には変えられるというメリットがあるものの、学童保育サービスのように、人と人との人間関係や信頼関係があってこそ成り立つサービスについては、指定管理者の選定のたびに事業者が変わることは、保護者も子どもも不安を感じ、大きなデメリットになります。

こうしたデメリットを踏まえ、事業者が優良であれば、更新できる更新制度を提案してきました。市はこうした声に応えるべく、学童保育の指定管理者制度に更新制度を導入しました。この点については、評価できます。
しかし、この更新制度については、5年間の指定管理期間をさらに5年延長するというもので、また10年後には、指定管理者の選定をし直すということから、優良な事業者については、永続的な更新制度を適用するよう提案しました。
安定的に事業展開ができ、働く側としても雇用場所が継続するとなれば安心して働いてもらうことができるので、人材確保もしやすくなります。

全国的な指定管理者制度の実態調査では、行きすぎたコスト削減はサービスの低下を招くという調査結果もあり、労働環境の担保は重要であることから、きちんと人件費が支払われているのかをチェックするため、財務と労務のモニタリングを行うことも提案しました。

残念ながら、永続的更新制度や財務と労務のモニタリングについては期待していたようなよい回答は得られませんでした。
また公設民営であることから、サーービスの水準も一定していることが求められますが、人件費についても事業者によってばらばらであることは本来考えるとおかしいと思います。市の賃金体系について提案を行いましたが、その考えはないということです。

### 前進したこと・・・・学童保育所の安全管理基準の作成、研修のあり方の改善、学童保育指針の作成 ###

この夏に初めて小学校のプールを借りて水遊びをした学童保育所で、おぼれる事故が発生し、このことを踏まえて、二度とこうした事故が起きないよう安全対策のあり方を問いました。
学童保育所の事業者の方からもヒアリングをし、今の学童保育所の抱える問題や悩みを共有しての質問を行いました。

安全対策については、市の安全管理マニュアルを早速見直し、事故のあった学童保育所の安全管理マニュアルがすぐに作成され、すばやい対応がされたことは良かったのですが、その内容を見ると不十分な点もあり、さらにていねいに事故の原因究明と対策を考察し、他の学童保育所とも共有をし事故防止をしていくことが必要だと感じました。
事故のあった学童保育所だけでなく、他の多くの事業者の指導員の参加のもとで課題を共有しながら安全管理マニュアルをつくるよう求めたところ、そのように対応していくとの回答がありました。

さらに、学童の保育指針の作成をして、保育サービスの水準の確保ができるように求めました。

### ますます狭くなる保育面積! ###

さらに学童保育所の児童一人当たりの保育面積が国基準である1.65m2をクリアできておらず、1.11m2しかなり施設がたいさんあります。
施設の数はそのままで真ん中にパーテーションを入れて、学童のクラブ数を増やしているところも36施設あります。
市として過密な保育環境の現状をしっかりと把握し、改善を行っていくことが必要です。

待機児童解消も子育て支援として重要ですが、豊かな保育環境を保障していくことも子どもたちの育ちを考えるならとても大切です。施設の拡充を求めました。

さらに学童保育所が学童保育サービスの提供に止まらず、地域の子育て支援の拠点になることの重要性を認識し、各事業者が取り組んでいくような体制づくりを求めました。学童保育所が子育て・子育ちの拠点になることについては共通認識が図れたと思います。

### 今後もしっかりと働きかけていきます ###

質問に際し、現場の声を頂き本当にありがとうございました。

国は学童保育サービスの拡充をする方針ですが、その環境整備を待つことなく市としてしっかり取り組んでほしいと思います。

今回の質問で獲得できたこともありますが、指定管理者制度の問題は今後も大きな課題として、取り上げていきたいと思います。
今後も学童保育サービスの充実に向け、提案を続けていきます。