本日が、3月議会の本会議最終日となります。

2011年度予算は、予算総括質疑の真っ最中に地震が発生したことから、審議は中止となり、予算特別委員会での意見開陳と、本会議の討論を持って審議終了となります。

私は、地震発生前に、予算総括質疑を行っておりましたでの、そのご報告をします。

八王子駅南口再開事業が収束したことから、求めてきた教育予算の増額や地域包括支援センターの増設や、水循環に対して計画など環境・教育・福祉の充実に向け、舵が取られはじめたことは前進だと思います。さらなる教育予算の確保や雇用確保についての取り組みを求めました。

次世代につけを残さない財政運営をしていくために、税収についても見通しをもつことが重要であり、施設の改修が財政に大きく影響を与えることから、施設白書の作成や、長期的視点に立った施設改修計画の作成をしていくことを求めたところ、作成していくとの答弁がありました。

しかし、物流拠点整備事業については、物流についての調査研究をしないままに、楽観的な発想で進めていこうとしていることは、せっかく財政再建をしてきた市財政を悪化させることにもなりかねず、十分な調査研究をし、事業の見直しをするよう求めました。

### 予算総括質疑での論点 ###

◎人口減少社会が到来する中で、市としても社会構造の変化を踏まえ、見通しを持ち、いかに次世代につけをまわさない財政運営をしていくか問われている。

◎若い世代の雇用環境の悪化から、結婚して子どもを産み育てるという当たり前のことが難しい社会になる中で、若者の雇用確保と、子育て支援の充実が極めて重要であること。

◎雇用の確保の一環として、川口地域の物流拠点整備事業を市長は掲げているが、この事業の前提となる圏央道の西インターのフル化や北西部幹線道路を進めていくには、国や本市での道路予算の確保も難しいことから、極めて厳しい。事業推進は、困難ではないか。さらに若い世代の縮小で、物流についても縮小していくことになるが、社会構造を踏まえた調査研究をしておらず、安易に事業を進めることには大きな問題があること。

◎若者の雇用の確保をしていくことは、早急な課題であり、本市が進めてきた生き生き企業支援条例での産業振興と雇用確保の成果も踏まえ、今ある八王子の地域資源を生かし、産業振興をすることが重要であり、進めてほしいこと。

◎雇用については、市が提供するサービスに関わる人たちの雇用環境を担保していくよう公契約条例にも触れ、官製ワーキングプアを作らない取り組みが重要であること。

◎教育予算については、先進諸国では、経済の投資の一環としてもとらえ充実をしているが、本市では予算が低く抑えられている。生きる力をつけ企業から求められる人材育成につながる教育を進めていくために、人的配置への予算を削ることなく、充実していくことが重要であること。

◎本庁舎改修で、43億円の改修費がかかったうえに、さらに八王子駅南口再開発事業実施により、市の投資的経費が増えた。今後は、年度によっては、20以上の施設改修が必要になる年度も将来的になり、施設改修についても長期的視点に立った改修計画を作成し、市民にも情報提供していくことが必要ではないか。

→提案に対して、施設白書の作成と長期的な視点に立った施設改修計画の作成をしていくと答弁がありました。

さらに保育園待機児問題や多様な保育サービスと子育て支援の充実、学童保育での質の確保に向けたしくみづくりや、高齢者支援としての地域包括支援センターの充実については、時間切れとなり、厚生分科会での審議の予定でしたが、地震のため審議中止で質疑が行えなくなったので、残念でした。

### さらに詳しくは下記をご覧ください。予算総括質疑で取り上げてきた論点と内容 ###

◎市税収入は、景気回復により、企業の業績アップととにも、法人市民税は、アップしたが、個人の平均給与収入アップには、つながっていないこと。

◎生産年齢人口は減ってきており、高齢者人口が増えていて、支える世代が縮小してきていること。
労働人口は、働く人が増えているので増えているが、納税義務者は増えても、納税平均額は減っていること。
正規雇用の人に比べ、非正規雇用の人では、結婚している割合が半減し、結婚して子どもを産み育てるという当たり前のことができるように、若い世代の雇用を確保していくこと、さらに子育てしやすい環境を作っていくことが、極めて重要であること。

◎就労につながり、生きる力を付けられる学校教育をしていくことが重要であり、教育予算の確保をして、問題解決をしたり、企画能力をつけていく教育内容にしていくことが重要である。(先進諸国では、経済への投資ととらえ、教育予算を確保している)教員以外の人的配置をけずることによって、学校の先生たちが忙しくなっているが、教育環境の充実をしていくためには、人的配置にもっと予算を付けるべきであること。

→本予算については、決算で指摘し、求めてきた特別支援教育の予算が少し増え、前進はしたが、総額500万円程度であり、さらなる充実が必要であること。

◎学校図書観についても、司書が配置できないのなら、せめて図書管理委員の配置をして、人的な環境を充実させることを求めてきたが、今回の予算では、国の緊急雇用の事業を活用し、学校図書観の蔵書のデータベース化を図り、環境を整えることにしたことは、一歩前進だったが、さらなる取り組みをしてほしいということ。

◎川口地域物流拠点事業については、事業の前提となる圏央道の西インターのフル化や北西部幹線道路の整備をしていくことは、現段階では、極めて困難ではないか。
北西部幹線道路の全線開通には、500億円かかると言われてきたが、道路事業費の年間予算は20億円ほどであり、すべてを使っても北西部幹線道路全線開通には、20年かかる計算になることから、この物流拠点を整備することは難しいのではないか。
人口減少社会の到来で、消費をする若い世代が縮小する中、物流も縮小することが予想され、こうしたことについて、調査研究をしていないまま、安易に進めることは、問題ではないか。

◎若者たちへの雇用の確保は緊急課題であり、市として進めてきた生き生き企業支援条例での産業振興や雇用確保の成果を踏まえて、今ある地域資源を生かした産業振興と雇用確保が必要ではないか。

◎官製ワーキングプアを作らないことも重要である。雇用環境の確保として、少なくとも市が提供するサービスの関わる人の労働環境を担保するために、公契約条例の取り組みをしていくべき必要があるのではないか。