電磁波の学習会に参加し、改めて電磁波問題では遅れている日本の現状を認識しました。先進諸国では、すでに取り組みが進んでいます。正しい情報や科学的知見に加え、住民の健康被害を守るという政治的判断も今後必要だと思います。

#### 電磁波問題過敏症とは

電化製品の発達により生活の利便性は格段に向上しました。
電気が通るところには、電磁波が発生しますが、この電磁波の影響を受け、体調不良となり、仕事に行けない、外出できないなどの健康被害を訴える人たちもいます。
化学物質過敏症については、認識が高まってきましたが、実は化学物質過敏症の人たちの多くが電磁波過敏症でもあると言われています。

いわゆる送電線からでる超低周波の電磁波だけでなく、携帯電話の発達により、携帯電話の基地局から出る高周波の電波によっても健康被害を訴える人たちが最近増えてきています。

携帯電話は第3世代に入り、より大量の情報を届けるため、携帯会社は以前よりさらに高い周波数を使用しするようになりました。携帯電話の周波数は自然界にないパルスの形をとったデジタル信号であるため、健康被害は深刻になるのではないかとも言われています。

#### 学習会での報告内容

学習会では、携帯の基地局がマンションの屋根に設置されていたことで、建物の下に住む住民全体が健康被害を訴えることになった事例が医師から報告されました。

総務省のガイドラインでは、問題ないとされているが、現実的には、多数の健康被害が発生している。撤去後はほとんどの症状が改善しており、携帯基地局との因果関係があるとのことでした。

#### パネリストの意見

電磁界情報センターの所長からは現在の研究では、「健康リスク評価で問題がないとされている。結果は結果だ。各国同じだ。」という発言がありました。
これに対し、実際には、携帯電話の基地局設置によって健康被害を訴える事例も認められる。因果関係ははっきりしていないが、研究を何十年続けても検証しきれない問題かもしれない。科学者がリスクを決めるのではなく、住民行政も関わりリスクを考えていくべき。予防原則の視点から住民を健康被害から守る取り組みが求められるのではないか。

こうした意見が、環境医学の専門家や電磁波問題研究者のパネリストから次々と出されました。

#### 科学的に不確実だからこそ予防原則の適用を

また弁護士からは、不確実な科学的状況の中で司法のあり方も問われている。
電磁波過敏症である環境ジャーナリストからは、一日も早く苦しんでいる人たちの救済をとの訴えがありました。

同じような科学的に不確実な状況があってもEUでは、すでに予防原則を適用していく方向性が明確になっています。

日本の行政や司法のあり方が問われています。