指定管理者制度については、4年前から本格導入となりました。

指定管理者についての評価については見解が分かれることが多い中、会として指定管理者制度の課題を研究している弁護士の尾林さんのお話をお聞きし、考察をしていくことになりました。

尾林さんからは、指定管理者では直営の場合に比べ、賃金が十分に保障されていない点が最大の問題であるとのお話がありました。

確かに八王子市でも市民サービスの向上とコスト削減という両輪を掲げていますが、行政が直営でやる時より、遙かに人件費を圧縮しています。
人件費の圧縮は結果としてサービスの低下にもつながります。

そして、時には安い賃金での非常勤職員の採用を行い、人の安全を守る仕事がいい加減になって事故が起きているような例もあるとの事例も紹介されました。

私からは、質疑応答で、コスト削減の道具として指定管理者が活用されていくことは大きな問題があると感じている。行政は雇用について状況を把握使用としない点は大きな問題だと思う。

ただこれまでの直営の公共サービスについて、市民側から見ると不十分な点もあり、指定管理者制度の導入により、市民の視点で思いのある人たちが市民事業の展開で公共サービスに携わるチャンスができたことは、利点でもあると考えてきた。現状ではそうなっていない点もあり残念だが、課題である人件費の確保をしっかり行って雇用の問題を解決できれば、市民が公共機能を担うことにもなり、指定管理者制度がすべてだめだとはいえないのではないのかという視点も述べました。

ただし、人と人との基本的信頼関係が何より大切な子どもへの保育サービスについては、指定管理者制度の導入は、入れ替わりを前提としているため、子ども、保護者、事業者ともにデメリットも大きく、指定管理者の導入で、公設民営化するより、民設民営の方がいいと思っています。

今後も学習会や現場の声の検証で指定管理者制度について考えていきたいと思います。