高尾山の麓にあるうかい竹亭のそばを流れる榎窪川がついに完全に水涸れになってしまいました。
豊かな水環境を誇る高尾山にトンネル掘削工事が行われ、その結果、川の水位が下がり続けてきましたが、ついに今年の夏には榎窪川の水は涸れてしまいました。
榎窪川から取水をして田んぼで稲を作ってきた農家の方のお話では、「先祖代々稲作をやっているけど、こんな水涸れは初めて。田んぼにすっかりひびが入ってしまった。」ということです。
そのお宅の庭の一角にあった井戸水は、水量の低下で、飲料水として使用できなくなり、現在は水道水を使用している。おいしい水が飲めなくなってとても残念だと述べられていました。
ひび割れた田んぼに、もはや榎窪川からは取水できず、稲作を続けるためには、へたをすると水道水を代わりに使ってくれと国土交通省に言われるかもしれないような状況です。
うかい竹亭の店長さんからもお話をお聞きしました。
「目に見える水環境が変わってしまったので・・。お客さんからも『水がないのね』と川を覗いて言われます。」と苦笑されていました。ご商売にもかなりのダメージはあるはずです。
トンネル工事が終われば、そのうち水位は回復するという説明が国土交通省からあったようですが、本当にそうなればいいと思います。
地下水だけは、どんなにトンネル掘削技術が発達してもコントロールできないことが今回の視察でも明らかになりました。
高尾山の全体の水涸れと生態系への影響が心配です。