###   ご参加ありがとうございました  ###

10月16日、救急医療の現場のお話をお聞きする会を主催しました。

参加者は80代の高齢者の方から学生さんまで、幅広い参加がありました。
ありがとうございました。

### 救急車が到着しても搬送先が決まらないことも! ###

救急車の出動件数は全国で平成10年からここ10年で約38%増加しています。
救急車の現場到着平均時間は7.7分。しかし、病院収容時間は約35分もかかっています。また患者の受け入れ医療機関がなかなか決まらないケースもあります。

心肺停止状態の人がいても受け入れが決まらない状況も現実的には起こりうるのが今の救急医療の実態だそうです。

### 医療機関が受け入れを断る理由 ###

医療には次のような段階があります。
一次医療・・・治療を受けてすぐ帰宅できる軽症の人へ
二次医療・・・入院を必要とする人へ
三次医療・・・心配停止のような生きるか死ぬかの状況にある人へ

3次の医療機関が受け入れを断った理由としては、手術中、患者対応中、ベットが満床が上げられ、2次医療機関では、処置困難、専門外という理由が挙げられています。

専門外というのは、医療の訴訟問題があり、もし専門外を万が一受け入れてうまくいかず、訴訟にでもなったらどうしようかという不安が受け入れ側にあるから、専門でなければ断ること場合があるそうです。

患者対応中という場合、軽症の患者が救急車で運ばれて来た場合でも医師がその軽症患者に対応していれば重症患者の問い合わせがあっても、人手が取られているために、受け入れを断ることになるということです。
そして、重症患者の対応や手術に複数の医師や看護師が対応をせざるを得ないときも、やはり受け入れはできなくなるとのことです。

まさに日本の医療現場の現状を見ると受け入れられるのか、断られるのかは運次第だということです。

### コンビニ受診の増加は救急医療を混乱させる ###

本来日中の対応が可能であったり、自宅等で経過観察が可能である場合でも救急車を呼んで受診する、いわゆるコンビニ受診も増加しており、救急医療の現場に支障を来しているという指摘もありました。

### 改善策として何ができるのか? ###

市民としては、救急医療の現場を混乱させないようコンビニ受診をしないようにしていくことが必要です。
そのための啓発活動に行政は取り組んでいく必要があります。

### 食育で生活習慣病を減らそう! ###

学生の4人に3人が自分の食生活に問題を感じているというアンケート調査結果もあります。
20代や30代の心筋梗塞や20代でがんになる人も増えているということです。
大学生の検診を500人くらい一度にしていると、コンビニ弁当の臭いを体から発しているような学生も多い。食べ物はとても重要というお話もありました。

参加者の学生さんからも「病気にならないよう予防に取り組んでいくことも必要ですよね。」という言葉もありました。

### 救急医療情報は重要だった! ###

めじろ台安心・ねっとでは、消防署との連携で救急医療キットの設置の展開を行っています。医療機関に正確な医療情報を届けることは、適切な医療処置を速やかにすることにつながり、救急医療現場の負担軽減にもつながります。
救急車で運ばれてきた患者の医療情報がない場合が多く、持病を持っている場合、薬をつかったものの、それば拮抗作用となり、命取りになるケースもあるそうです。適切な治療をするために検査をする必要性もありますが、医療情報が最初からあれば医師も患者も助かります。

若い人たちも高齢者もみんな自宅に救急医療情報キットを置いておいて万が一の時に医療機関に渡せるようにしておいたり、外出先でも免許証と一緒に医療情報を入れて持ち歩くことは重要ですね。

その他にも必要な時に必要な医療が受けられる体制づくりをしていくことが今後も求められています。

### 医師の養成のあり方の見直しも必要では ###

医師の仕事は体を張っての仕事だそうです。
救急医の仕事は激務。返り血を浴びることもあるし、睡眠は3時間が日常的に続いたり、過労死の基準をとっくに超えた労働時間になっているそうです。手術の何件ものかけもちも日常的だそうです。そして時給換算すると850円くらいになるそうです。

養成しても残る救急医はわずか。
少しでも救急医が増えることが望まれますが、現実的には救急医として養成してもスタート時に10人いたものが残っていくのは、3人ほどしかいない。何が起こるかわからない3次救急の現場では、いつもものすごいプレッシャーがかかり、この状況に耐え続けられる人材は限られているということです。

皮膚科、眼科の医師の希望者は多いけれど、小児科、産科の医師は希望者が少なく、救急医として働ける医師を増やすことも必要です。医師の養成教育や研修医制度のあり方についても見直しが必要だというお話がありました。