11月13日、横山市民センターで防災訓練が開催され、各町会関係者が大勢参加しました。
私もめじろ台3丁目町会の一員として参加しました。
今までにない防災意識の高まりで、参
加者は熱心にメニューをこなしていました。
でも、先日11月10日に、風の会が主催した、めじろ台での防災のパネルディスカッションでの話なども思いだしながら、よくよく訓練のあり方を考えてみると、いろいろな矛盾点も浮かび上がってきました。
当日行われたのは、下記のメニュー。メニューとしては充実していたと思います。
・起震車での地震体験
・煙体験
・消火器を使っての消火活動
・AEDの使い方
・毛布を使ってのけが人の搬送の仕方
・警察や消防署への通報
・アルファ米の炊きだしと豚汁を食べる
防災訓練の成果と今後の課題・疑問に思ったこと
個々の訓練に参加することで、いざという時に落ち着いてできることから、訓練することはとても重要だと思います。
しかし、訓練に参加しながら、疑問を感じることもありました。
訓練の冒頭、消防署と市からのあいさつがありました。そのあいさつの中で、災害の時には、自助、共助、公助が大切と言われますが、自助、共助の部分をぜひ今日はしっかり学んでいってほしいとのお話がありました。
確かに自助、共助は大切です。でも「どういう災害の想定があって、公助は、ここまでしかできないから、だから他の部分は、自助、共助で、みなさんの力でやるしかないのが実情です。」こんなお話はまったくないわけです。こういう投げかけがあるのとないのでは、全く訓練の意味も違ってきます。
非常食はみんなの分はない!
たとえば、アルファ米の炊き出しを防災訓練のたびにやるので、地域住民の方の中には、非常食は、行政が用意してくれているものと思い、「自分たちの非常食はどこに保管されているのですか?」という質問を先日のめじろ台のパネルディスカッションの中で、されている方もいらっしゃいました。
でも、58万人もいる八王子市の市民全員の非常食を行政がすべて用意できるわけはなく、避難場所での収容人数にも、配られる非常食にも現実的には限りがあります。
行政は非常食をストックし、万が一の災害に備えていますが、それを賞味期限切れにならないように在庫管理をしてく必要があるので、訓練の時に古くなったものを使うようにしているのです。このことをていねいに発信しないものだから、市民としてもアルファ米が備蓄されているということのみが印象づけられてしまいます。
本当は、各自が自分で用意しておかなければとても間に合わないのですが、現状の防災訓練では、メニューをこなすことのみが先攻してしまっていると感じます。
東日本大震災の教訓を生かした防災訓練を!
今回の東日本大震災を仙台市で体験した友人の話を、私はこの夏に聞いてきました。
友人から聞いたことは、
「地震が起きても自宅が無事であれば、避難場所に避難する必要もないし、水道、ガス、電気のインフラがストップした後は、とにかく自宅にある水と食料を火を使って何とか調理して、サバイバルをすることになる。」ということでした。
消防車も救急車も来ないかもしれないとしたら・・!?
13日の防災訓練では、消防署や警察に通報する訓練もしましたが、消防署の方に消防車や救急車の数を聞いたら、消防自動車は、八王子市には、15台しかなく、救急車は8台しかないとのこと。
「地震の時には、来てもらえるのですか?」と聞くと「ほとんどのところには、行けないと思います。」とのお返事でした。
防災訓練には、消防団の消防車も配置し、消防団の方も訓練でご指導してくださっていました。「消防団の消防自動車は来てもらえるのですか?」と消防団の方に尋ねると、隊員がいて出動できれば出動しますが、「道路が閉鎖されていたらたどり着けないということになります。」ということでした。
こうなると最悪の自体を想定して、結局消防自動車も救急車も来ないということを前提に自助、共助はどうあるべきかを考えていく必要があります。
だから、とにかくけがをしないようにする。そして、火事の時には、初期消火を自分たちの手でするしかないわけですから、それには、各家庭に消化器を備えておく必要がある。
でも各家庭には、現実にはまだまだ備えていない。なのに、消化器で消化訓練だけをして、
消化器はどこにあるのかの話には至らないわけです。
もちろん消化器を使う訓練そのものは、とても大切だと思います。でも、トータルの発信がないのですね。
よくよく考えてみると矛盾だらけです。
めじろ台3丁目では、毎年、予算を付けて消化器を購入し、町会の地区委員の家にそれを配置していますが、気が付いている町会もありますが、そこまでは対応できていない町会も多いはずです。
消防団の方に、防災訓練の見直しもした方がいいと思うのですが、どうでしょうかと投げかけると、「ぜひ見直した方がいいと私も思います。」とのお返事がある方から返ってきました。こうした現場の率直な意見もしっかりと反映していってほしいと思います。
市は、国の防災計画の見直しに伴い、市としても計画の見直しをする予定です。市民の防災意識も高まってきています。だからこそ、防災訓練のあり方も、ぜひ見直しをしていく必要があると思います。