川町の大沢川源流部を実踏して

川町の大沢川源流部の谷戸や森、15万㎡を埋め立て、スポーツパークを建設する計画が急浮上しています。

開発の予定地となる現地の森を、「川町の環境を守る会」の方のご案内を頂きながら私も見て来ました。対象地は、様々な植物が生息し、トウキョウサンショウウオも目撃されている、きわめて貴重な自然の宝庫です。本来市街化調整区域であるこの地域は、当然緑の保全がされるべき地域です。

今回のスポーツパーク事業計画には、極めてあいまいな点が多く、ほとんど資金がないNPO法人が、12億円の事業を責任を持って行えるとも思えない。スポーツパークに名を借りた残土事業になる可能性もあるのではと、近隣住民の間に危惧が広がっています。

市は、「市街化調整区域の保全に向けた適正な土地利用に関する条例」を制定したばかり。

条例の運用と今回の対応が注目されます。

というのも、開発許可権限は東京都にありますが、市と都の事前協議の中で、市として開発は認めないときっぱり意見を言うことがでるからです。

黒須市政では、残土処理事業による開発は認めないときっぱりとした態度を示してきました。

この問題のある市街化調整区域を対象にした開発計画に対し、市議会でも質問が相次ぎましたが、市がこうした開発を認めれば、本来守るべき調整区域の貴重な自然環境が、次々と破壊されていく流れをつくってしまいます。

地球規模で、毎年日本の面積の5分の1に当たる森林が消失。地球温暖化の影響による気候変動も各地で起きています。地域の緑をしっかりと守るため、市民がしっかりと声をあげていくことが大切だと思います。

現在、12月議会に向け、スポーツパーク建設に反対する請願の署名活動が行われています。ぜひご協力頂けたらと思います。

 

住民説明会でも納得のいく説明はなく・・・

この事業のあり方について、近隣住民への説明会が開かれましたが、2回目の説明会では、代表者が欠席。住民が納得できるような十分な説明はなかったそうです。

 資産をほとんど持たない団体がなぜ12億円もの事業ができるのか!?

スポーツパーク事業を行いたいとするNPO法人「東京スポーツビジョン21」の正味財産は、23万円。ほとんど資産がない状況です。

資金力のない団体が、果たして総工事費12億円もの事業を責任を持って行えるのか疑問ですが、工事費の調達は、協力企業から無利子無絵担保で借り入れると説明。

しかし、常識から考えて、企業が無理し無担保で多額の賃貸をすることは考えられない。

今回の事業は。谷戸に55万立方メートルという大量の残土を持ち込み、処分代収入10億円をあてにした事業であり、健全とは言えない。

これはまさに、スポーツパークに名を借りた残土事業の可能性もあると心配の声があがっています。

肝心のスポーツパークの運営計画は不明

しかもl、スポーツパークの具体的な運用計画(利用対象、利用計画、収支計画など)がまったくない状況だそうです。

明確なプランもなければ、どうやって運営していくのか。

地域からは納得がいかないとの声があがっています。

食い違う事業者の説明 

団体の小泉代表は、八王子市との覚え書きを交わしてあると第1回目の説明会で説明しましたが、市議会での答弁では、市はこれを否定し、覚え書きは交わしていないと回答。

この矛盾点を2回目の説明会で住民に追求されると、事業者側は、「覚え書きなんていいましたか。」と態度を豹変させ、記憶にございませんと笑ってごまかしたとのこと。

説明会の議事録にも「覚え書き」発言は、記録として残っているようですが、こうしたいい加減な説明の様子を聞いていると、、ますます残土処分事業ではないかとの疑念が高まります。

今回の事業については、隣接する地域に住む住民でなくても、疑問を感じる内容です。

市としては、市街化調整区域の緑を考えた時、残土処理事業などに対し、規制をするための後ろ盾となる条例がないことがネックになってきたので、他の法令とあいまって保全ができるよう、「市街化調整区域の適正な土地利用に関する条例」を制定して緑を守っていきたいと、議会で説明していました。

市街化調整区域で、このようにいい加減な事業計画のもと、貴重な自然環境を大きく破壊するような開発を今市が認めることは、今後の八王子の緑の保全に大きな禍根を残すことになります。

市として、市街化調整区域の緑を保全することの重要性をしっかり認識し、対応をしてほしいと思います。

この問題は、10月21日のTBS「噂の東京マガジン」でも取り上げられました。