東日本大震災から2年半余りが経過しました。
国や東京都は震災後被害想定を見直し、それにともなって八王子市でも地域防災計画の見直しを進めています。
今回、八王子市地域防災計画素案がまとめられ、市民に対しても意見を求めるパブリックコメントを募集しています。ぜひこの防災計画の素案をご覧頂いて、ご意見を出していただけたらと思います。
素案は、市民センターで閲覧できますし、市のホームページでも見ることができます。
(締め切りは10月15日)
今回の防災計画では、被害想定の見直しが行われ、八王子市に最も大きな被害を及ぼす「多摩直下地震」を想定、さらに本市で震度7の揺れの範囲が最も広い「立川断層地帯」も考慮しています。
多摩直下地震(M7.3)が起きた場合、
八王子市では、震度7→0.2% 震度6強→40.1% 震度6弱→20.3% と予想され、
そして、その結果最大死者9700人、避難者339万人、帰宅困難者約517万人が想定されています。
そして、立川断層地震(M7.4)では、
震度7→1.7% 震度6強→26.9% 震度6弱→28.2% との想定がされています。
また多摩直下地震による八王子市の被害想定は
死者477人、負傷者6363人
建物被害は全壊は7006棟、火災は倒壊建物を含むと6599棟
避難者人口128,646人、避難生活者数83,620人 疎開者人口6,311人 滞留者数は、489,631人、 徒歩帰宅困難者は、146,971人というふうに想定されています。
大きな数字を言われても、イメージできるようなできないような感じがしますが、
これをたとえば、自分の地域に置き換えて考えると、
255,475世帯のうち、7006棟が全壊し、6599棟が火災で焼失すると考えると、
3800世帯のめじろ台では、単純計算して104棟が全壊する計算になります。
もちろん二世帯住宅もあるので、厳密に言えば違うと思いますが、
具体的にイメージしてみると、思ったよりも多い感じがします。
まず自分の家を全壊にしないこと。家具の転倒防止策など家庭内での取り組みをして、地震で怪我をしない、自分の命を守ること。火事を出さないこと。
そして、怪我をしないで生き残れたら、周りの人たちで助けを求めている人を助ける。
怪我をしている人の応急手当をする。病院へ運ぶ。
そして、備蓄品を活用しながら、できるだけ自分の家でサバイバル生活をする。
もし万が一自宅が倒壊して住めなくなったときには、避難所に行く。
一つ一つ自分の生活に引き寄せて考えていくと、何が必要で、何が足りないのか、見えてくるのではないでしょうか。
先日は、八王子市地域腎友会の会で人口透析を受けている方の当事者の生の声をお聞きしました。人工透析は週三回何があっても命綱で欠かせないそうですが、震災が起きた時は、
一体どこで透析が受けられるのか。まさに命の保障の問題で、ご心配をされていました。
市は、こうした当事者の声もしっかりと聞き、課題を認識しながら、地に足のついた実行性の高い計画の見直しを少しでもしていくことが大切だと思います。
また、東日本大震災では、女性の性被害や女性ならではの避難所生活での悩み、ストレスなどもあったと言われています。
女性は子育てや介護をしている人も多く、気付くことも多いと思います。
女性の視点から防災のことをしっかり見ていくことも大切だと思います。
現在、私自身も町会の防災専任委員の仲間入りをし、また女性を中心とした防災チームにも入って防災問題への取り組みをしているところですが、
正直、防災のことは考えたら切りがない。でも一つでも二つでも考えて準備をしておくことはとても大切だと思います。
皆さんも今回の防災計画見直しを機に、ご自身や地域での防災への取り組みを見直してみませんか。
そして、市の地域防災計画素案に対し、ぜひ多くの市民の方からお気づきの点について市にご意見を寄せていただけたらと思います。