東京都議会で塩村文夏都議が晩婚化対策などをテーマに一般質問をしている最中、自民党の男性議員から「早く結婚しろ」などとセクハラに当たるやじヤジ発言がありました。

この件については、あっという間に8万6千件の抗議のネット署名が集まりました。

私も、こうした発言に対し、強く憤りを強く感じる発言として、ツイッターやフェイスブックで、コメントさせて頂いていましたが、それを読んだ方から、こういう政治文化は許せないといったご意見をたくさん頂きました。

みんなの党は、名乗りを上げない自民党議員に対し、声紋分析を行って発言者を特定し、抗議していく方針とのことでしたが、
本日、自民党の鈴木章浩都議がついに名乗りを上げ、謝罪し、会派を離脱しました。

今回のヤジ発言には、20日午前の閣議後の記者会見で各閣僚から批判が相次ぎ、森雅子少子化担当相は「事実としたら絶対にあってはならない、許されないことだ」と猛反発。田村憲久厚生労働相は「女性に対して非常に失礼であると同時に人として大問題だ」と非難したということです。

鈴木都議の発言は、インフォーマルな場面でも、まさにセクハラ発言できわめて不快な発言ですが、政治の公式の場で一般質問をしている女性都議に対し、こうした嫌がらせの発言をしたことは、全く教養と品位に欠けた行動で、本当に許せない発言です。

自民党は、今回の発言は鈴木議員個人の問題として、会派を離脱させ、収束させようとしていますが、こうした政治文化は、自民党が体質的に持っているものであり、今回のことは、本人の猛反省とともに党内でも、極めて重大な不適切発言であったことを強く自覚反省すべきことだと思います。

さて、今回の発言だけでなく、過去看過できない発言がありましたので、それにも触れておきたいと思います。
それは次のような発言でした。

ある市民団体が、八王子にある都有地を借りてイベントをする予定でしたが、それを聞きつけた自民党の議員が、都議会では自分たちが最大の会派だから、自分たちを通さないとその都有地の使用は認めないという発言をしたそうです。

まさに脅しと嫌がらせでそういう発言をしたようですが。

なぜ都民の都有地を最大会派が自分たちだから、自分たちを通さないと使用できないというようなおかしな発言ができるのか。
それを聞いて大きな疑問と怒りを感じました。

政治に対してきちんと勉強した良識ある議員であれば、絶対にできない発言だと思います。

都民の税金は何も自民党の連中だけが払っているわけではない。みんなのものなのに、たまたま自分たちが最大会派だったら、自分たちを通さないと使わせないなんていうのは、やくざが縄張りを主張しているのと同じことです。

ついでにさかのぼって、私が市議2期目の時のどうしても忘れられない発言が、脳裏に蘇ってきたので書かせて頂きます。

ある自民党の若手市議が、若尾さんは、再開発には反対していたんだから、式典に来るのはおかしいと言ったのです。

JR八王子駅南口の再開発事業については、私は、駅前広場の早期整備を推進する立場でしたが、いわゆる再開発手法で南口の再開発を行うことには、疑問を感じ、見直しを求めてきました。
再開発手法だと、採算性ばかりが優先し、多額の税金がかかるにも関わらず、市民ホールなどの施設のあり方についても、文化の香りがし、市民にとって使い易い公共施設のあり方とはどうあるべきかの議論が後回しになってしまうこと。再開発で建てられるマンションについても、採算性を重視するがゆえにどんどん高層の計画になって、41階建てのビルだととスカイラインが見えなくなるにもかかわらず、市民が、展望台などとして利用できる施設もないし、高層ビルは火災や地震など防災面から課題があるのではないかとの疑問があったからです。

市は様々な議論がありながらも、結局従来型の再開発手法での事業の遂行を選択し、南口再開発事業の工事完了後、お披露目の式典がありました。

見直しを求めた私としても、その式典やお披露目の様子をしっかり見ておきたかったので、式典に出席することにしました。

なぜなら、見直しを求めた市民の税金もその再開発事業には使われているからです。

南口の一般車両の乗り入れ問題については、課題解決に向け、私が提案した解決策を市が取り入れてくれたので、意見が反映されている部分もあることはありますが。

それにしても、その時、思ったのは、たまたま自分たちの意見が多数だったから、自分たちがすべて正しい。反対者は間違っている。反対者は利用するなと言うような言い分は、まったくの筋違いだということです。

私に対して、自民党の若手市議が、式典に来るのはおかしいと言ったことを聞いて、自民党のあるベテラン市議は、その発言は間違っていると私に言ってきました。
それを聞いて、まともな人がいて良かったと思ったものの、ベテラン議員が若手議員を指導しないので、結局その若手議員は自分の考えが間違っていることには気付かないままです。

大勢派にいる若手議員が、政治の勉強をきちんとしないで、あたかも自分がえらいような気になって、我が物顔の発言をする姿は、本当に腹立たしい限りです。

さて、国際的に見て、日本の政治は三流と言われてきましたが、日本の人権感覚もガラパゴス状態と言われています。

以前アメリカ人の英会話講師から英語を教えてもらっている時、politically correct という言葉を何度も聞きました。
アメリカでは、宗教的、人種的、性別的な配慮あることばを使うということが大切だという認識が、市民にも政治家の間でも共有されています。

一方、日本では、地方議員に限らず、国会議員も失言が続いていますが、アメリカだと政治生命を失うレベルの発言が日本ではうやむやにされることが多いと思います。

今回のようなことを踏まえて、もう一度、民主主義とは何か、人権感覚はどうあるべきか、政治家としての品位はどうあるべきか、議員をやるような人間はしっかりと考える必要があると思います。

そして、議員を選ぶ市民としても、このようなことを常に念頭においておく必要があると思います。