ここ10年が勝負の温暖化対策

私は、地球温暖化対策の課題については、気象の専門家の方のレクチャーを受けながら、市政に提案を行ってきました。

気象学者は、気象うつになると言われています。

それは、温暖化の深刻さを行政や市民がしっかりと受け止め、具体的取組のアクションを起こしていくことが必要にもかかわらずそれがなかなか進まないことで、気象学者はだんだんうつになるということだそうです。

実際、私も自分が主催しているまちづくり市民講座で、日本気象協会でお仕事をしている気象学者の方をお招きして、お話を2回ほど聞かせて頂きました。

また、個人的にもかなり温暖化についていろいろとレクチャーを受けながら市に質問をしてきましたが、温暖化の問題について繰り返し話を聞くたびに、どんどん落ち込んできて、とてもつらい気持ちになりました。

海外では、温暖化について勉強した子どもたちが自分たちの未来はないのかと、子どもたちがうつになるということがあるそうですが、日本では、学んでいないので、うつになる人は少ないかもしれませんが、もっともっと温暖化が進展して、肌で感じるようになった頃には、手遅れです。

ここ10年が勝負と言われている温暖化対策は、正念場の10年としてしっかり市政でも取り組んでいくことが必要です。

八王子市政の取組は?

八王子市は、昨年の2月ゼロカーボンシティ宣言を行いましたが、市の温暖化対策の推進の軸となる。地球温暖化対策推進計画の見直しを行い、さらなる温暖化対策を進めるとのことです。

しかし、3月28日の本会議での予算での討論でも触れましたが、市の温暖化対策は、まだまだです。

温暖化対策には、CO2の排出を緩和する緩和策と、温暖化によってもたらされる適応策がありますが、その両方の視点から取組を求めてきた、森林再生については、何度も取り上げてきましたが、なかなか私の質問の趣旨を捉えて、施策展開してもらえない状況が続いてきました。

土砂・洪水対策の未然防止に向け、川沿いの森林だけでも早期に整備をしてほしいと要望し、市有林の森林整備は、農林課の方の事業としてすぐ予算を付けて実施してもらえました。

しかし、市民の方から、要望を頂いてきた、民有林の管理の支援については、なかなか対応が進まず、2023年の予算の中で、ようやく民有林の手入れができていないことへの支援策として、人材育成の予算が付きました。

やっと初めの一歩を踏み出した感じです。

再生可能エネルギー普及事業の予算が減額になるとは

そして、エネルギ-の地産地消を進めて行くことも重要ですが、2023年の予算では、再生エネルギーの活用の普及事業の予算が、前年度より3400万円も削減されている状況であり、これで、ゼロカーボンシティ宣言をしている自治体の取組なのかと、驚きました。

所管に確認したところ、国や都の補助金をしっかりと活用できるよう、活用に向けた支援をしていきたいと考えているとのことでした。

確かに、私は、昨年の12月議会の中で、事業者に対する国や都の支援策について質問し、都や国の補助金も財源として活用してはどうかと提案をしました。

でもだからと言って、市の補助金を前年度より3400万円も削減することは温暖化対策の推進体制としては課題があります。

一方、学校施設のLED化については、要望して、すぐ取り組むことになりましたので、良かったと思いますが。

八王子市の計画、八王子未来ビジョン2040では、温暖化対策は重要課題として取り上げられていますが、まだまだ所管によって温度差があります。

もっともっと温暖化の横串を刺し、真剣に各所管で、できることは何でもやるという強い覚悟でやらないと、のちのち大変なことになります。IPCCの第6次評価報告書の内容を読むと、衝撃です。

温暖化についてもっと学ぼう!

温暖化対策として、原発の再稼働という流れになっていますが、海の水がものすごい熱量をもっています。その熱がCO2の影響で逃げていかないので、海水温が上がっていく状況ですが、そもそも原発では海に熱を放出しています。

出力100万キロワットの原発は、発電しながらその倍の200万キロワットもの熱を捨てているそうです。

そもそも、原発の核のごみの処理方法を人類は持ち合わせていないのですし、

「福島第一原発の廃炉作業は世界でも前例を見ないきわめて困難な取り組みであり、10年たった今でも、廃炉作業が終わったわけではありません。」

このように資源エネルギー庁が述べているように、一旦事故が起きたら、その復旧は至難のわざであるというのが、原発でもあります。

地震の多い日本で、原発推進というのは、普通に考えれば、恐ろしいことで、

太陽光や風力など自然エネルギーを活用しない手はない訳です。

以前、アップルが、再生可能エネルギーを使わない会社とは、取引しないと宣言したニュースが流れていましたが、

日本は、再生可能エネルギーの活用で、本当に遅れをとっています。

温暖化対策を進めるには、ちゃんと勉強していかないと、看板に偽りあり、良いと信じてその政策を後押ししたものの、後から、なんでこんなことに!と思う事態になりかねません。

日本の政治は、誰のためにどこを向いてやっているのかよくわからない時があります。

改めて、今の安心、未来の安心をつくるためには、温暖化の問題をみんなで学んで、どんどん智恵を出しながら、温暖化対策を前進させていくことが大切だと思います。

行政の足りない部分は、市民の智恵を政策として注入して行けばいいわけです。

そして、事業者の方にも温暖化対策を理解してもらうことが重要です。

まさに多様な連携により、前進させていくことが重要です。

子どもたちの未来の安心をつくるためにも、温暖化対策は、私の最重重要課題の政策として取り組んでいきたいと思います。