先日の障害者団体との懇談会に出席しました。
会では、障害者施策だけでなく、市政全般に対する考えも聞かせてほしいとのお話があり、
各議員それぞれが自分の意見を述べました。
また、様々な障害をお持ちの方から、それぞれの立場でのお話があり、やはり当事者のお話を聞くことはとても大切だと改めて痛感しました。
いただいたご意見をもとに、今後もしっかりと取り組みをしていきたいと思います。
### 会を通して話題になったこと・痛感したこと ###
◎学校教育において障害のある子どもたちの教育をしっかりとしていくことの必要性
ノーマライゼーションの推進と特別支援教育の改善の必要性
◎知的障害を持つ人へのえん罪事件を受け、障害者の人権を守っていく取り組みが必要であること
◎議会・行政の情報発信として、障害者への配慮をし、しっかりと情報を届ける取り組みをしていくことの必要性
◎透析患者の方への移動保障の重要性
→これについては、とりあえず、出された請願が通り、一歩前進して良かったです。
◎八王子裁判所の新庁舎のエレベーター設置問題
障害者の方への合理的配慮については、最も敏感であるべき司法側が、極めて鈍感で人権意識に欠けるという問題!
→この問題は、時間を争う重要課題です。副市長が最高裁判所に出向き、市長名での要望書を出しましたが、良い回答が得られていません。
こうした事態を踏まえ、私も、阿久津衆議院議員の秘書から国の考え方など事情を聞き、八王子市として改善を求められるよう働きかけを行っているところです。
さらに、懇談後も聴覚障害者の方から
障害者の方が集まって会議をしている場所が、保健センターの建て替え事業に伴い、無くなる可能性がある。
貴重な会議の場所なので、確保ができないのかというお話がありました。
今後、きちんと考えていかなければならない課題だと強く認識しました。
### 遅れている議会・行政の対応 ###
耳の聞こえない方とコミュニケーションする場合には、手話通訳の人か、あるいは、要約筆記をしてくれる方がいないと
スムーズにコミュニケーションはとれません。
(手話ができればもちろん問題ないですが、通常の場合筆談をしても、複雑な話になると筆談のスピードにも限界があります。)
聴覚障害者への情報発信という視点から見ると、議会や行政の情報提供・発信は、まだまだ配慮が十分でなく、課題がたくさんあることに気づかされます。
議会に対し、「障害がある人もない人も、子どもも、公平で誰もが安心して暮らせるまちを実現させるための条例に関する請願」が出され、その審議が行われました。
大勢の障害者の方が傍聴に来ることが予想される中、傍聴者の中に、耳の聞こえない方がいる場合はどうしたらいいかを巡り、議会運営委員会でも議論がされましたが、その対応については意見が分かれました。
議会としても、普段用意していない手話通訳の人か、要約筆記の人を用意して、耳の聞こえない方にも対応をしていく必要性があると感じ、
私は、議会運営委員会の中で、その意見を述べました。当然のことだと思っていました。
しかし、議員の中には、「議会費が少ないから無理をして準備をすることもないのではないか」という発言をする議員もいて、正直認識の差があることにびっくりしました。
結局、聴覚障害者への配慮は行われるべきとして、今回は要約筆記や、手話通訳が用意されましたが、
今後どのようにしていくのかについてはこれからの課題です。
今まさに、議会改革を進めているところですが、障害をお持ちの方への理解と合理的配慮についても、しっかり共通認識を持ち、対応をしていくべきだと痛感しました。
改選後の議会の中での重要課題としてあげていきたいと思います。
### メディアはどうあるべきか ###
そして、今回の懇談会でも、ケーブルテレビでの手話通訳や字幕スーパー付きでの放映をしてほしいとのお話がありました。
確かにケーブルテレビではそうした配慮が取られていません。
ケーブルテレビは、設立当時は、市が出資していた団体でしたが、現在はいっさい出資していないことから、
市が直接関与はできませんが、市としても対応を図ってもらえるよう働きかけ、八王子のことを発信するメディアとして配慮をしてもらえるようにしていくことが重要です。
さらに、ケーブルテレビに限らず、行政や議会のことは、行政や議会が責任を持って、耳の聞こえない方にも伝えられるような発信をしていくことが今後必要だと思います。
### 障害があってもなくても安心して自分らしく暮らせる行政やまちにしていくことがやっぱり必要! ###
障害者のことについて、多くの市民の人は、身近に障害をお持ちの方がいらっしゃらないことから理解を深めたり、合理的配慮をしたりする必要性を感じていない方も多いと思います。
教育の中で分離教育が長年行われてきたことが、その大きな要因だと思います。
長年地域で学ぶことが保障されてこなかった教育政策の中で、心を傷つけられた障害者の方のことや、教育の社会全体に与える影響を考えると、教育におけるノーマライゼーションの推進は極めて大きな重要課題だと思います。
もともと障害をお持ちの方の、日々の困難も大変だと思います。
また中途障害の方については、障害について考えてもみなかった状態から障害を抱えることになり、
まったく障害を乗り越えるスキルがない中、社会の配慮もないとなると、さらに困難をともない大変だと、痛感しています。
障害があってもなくても安心して自分らしく暮らせる社会を創っていくことは、これからの社会全体の大きな課題です。
しっかりと取り組みを進めていきたいと思っています。