「日本において女性議員が少ない現状についてインタビューしたい。」突然英語で、ポーランド人でオランダに留学しているという学生からメールが届きました。
ホームページをオランダから検索していて私にたどり着いたというお話で、びっくりしました。

結局、忙しい時期ですが、修論の研究に協力できたらと思い、来日した女子留学生からインタビューを受けることにしました。

ポーランド人のオランダ留学生と


日本では、女性の議員の割合が低いと言われています。
ポーランドも同様に女性議員が少ない状況だそうです。

そして、日本は、ポーランド同様、国政より地方議会の女性議員の割合が少ないそうで、先進諸国の中で共通した特徴が見られるので、興味深いと思っているとのお話でした。

久しぶりの英語を使っての会話、ちょっと自分の英語がまどろっこしかったのですが、とてもおもしろい体験でした。少し内容をご紹介します。

### ポーランド同様に 女性の議員がなぜ日本では増えない? ###

ポーランドも日本と同様に女性議員の数が少なく、女性の議員の底上げをするクオーター制を導入したそうです。ところが法律で規定したものの、なかなか女性で議員になりたいという人がいなくて、女性の議員の最低比率をクリアできないこともあって、大変だったというポーランドのお国事情も聞きました。

私に対する質問としては、
日本で、クオーター制は導入が必要かと思うか?
日本で、女性議員が少ない理由はどのように考えているのか?
日本において女性議員が増えると政治はよくなるのか?

こんな質問が繰り広げられました。

なぜ日本において女性議員が少ないのか、これには様々な考察ができるかと思います。

私は、日本では、女性が家庭のことをやるという役割分業意識が男女ともにまだまだ強く、男性の理解も得にくいこと。若い世代では、共働き世帯も増え、家事も分担という意識が出てきていますが、家庭や子どもを第一に考え、家庭にしわ寄せがいくような仕事や特にハードワークである議員の仕事には、二の足を踏む女性が多いことが要因ではないかと私は考えています。

皆さんはどうお考えでしょうか?

### クオーター制導入をどう考える? ###

日本でも、徐々にでもいいから、最初は30パーセントくらいの比率を目指して、ある程度のクオーター制をやっていくのもこれからの政治を変えるよい提案かもしれません。

八王子市議会において、現在女性議員は、40人中8人。かつては10人いて、25パーセントになって良かったと思っていたら減ってしまったという現状があります。

女性の議員の数が少なすぎるから増やした方がいいというお話は、市民の方、男性、女性の方からともにこの頃よくお聞きするご意見です。
女性は、出産、子育て、教育、介護など様々な生活の場面を具体的に肌で感じていて、こうした声をきちんと受け止めて政策につないでいくことは、より実効性を高めていくことにもなるというお話をよくいただきます。確かに生活実感に裏打ちされた議論ができないと議論も上滑りになりがちです。

### 高い教育を議員に求めるポーランドのお国事情!? ###

もう一つおもしろかったのは、ポーランドでは、議員になる前に、大学等で政治を学んでおくことが重要で、政治家は最低でも大学は出て、さらに大学院くらいまで行って、学んでから政治に携わることが必要だと考えているお国柄。でも、日本では、全く政治について学問として学ぶことなく議員になってしまうことが、よくあることなので大きな違いだというお話もありました。

では、よい学校を出たからよい政治家になるか?と尋ねると、いくら高い教育を受けていても馬鹿なことをする議員もいるけど、ポーランド人は、それでも高い教育を受けた人を議員の必要条件として求めているということでした。

オーストリアでも首相は、修士課程を出ていないとなれないという話は聞きましたが。
ヨーロッパでは、勉強をしてから政治に携わることが大切だと考えられているようです。

いい大学を出たからいい議員になるとは言えないと思いますが、ただし、議員がきちんと政治とはどうあるべきかを自分の独りよがりではなく学ぶことが必要なことだけは確かです。