震災時における飲み水の確保のために、行政は、一日一人当たり、3リットルの備蓄をするよう求めています。

このことは、何となく知っている方も多いと思います。そしてすでに水の備蓄を万全の体制でしている方、ちょっとは備蓄をしている人。
何となく必要性は感じつつも何も用意していない方。市民の皆さんの状況は様々だと思います。

人間は水がなくては生きられませんが、災害時、特に震災時において水の供給体制はどうなるのか。こうした心配に対して応えるべく、

昨日は、めじろ台4町会の防災会議が、この問題について、都の水道局の方をお招きして、防災講座を開きました。

講座では、震災時での行政の対応や備蓄の必要性や具体的なやり方について講演でのお話を聞くのとともに、

実際に、浅川給水所まで行って、非常時の供給体制を現場で教えて頂き、非常時の給水用の水道から水をくむ体験もすることができました。

私は、今地元地域で防災問題に取り組みをしているところですが、今回のことは、とても有益な情報で、めじろ台だけでなく他の地域の方にも知っていただければと思いました。

ぜひ多くの方に、下記の報告をお読み頂き、なぜ1人1日3リットルなのか、その理屈を納得して頂き、万が一の備えのための情報としてご活用頂けたらと思います。

阪神淡路大震災の教訓を生かしてとられた水確保の対策とは?

地震が起きると、大きな地震では、頑丈につくられているはずの水道管の本管も、接続の部分が外れてしまい、そこでの水漏れが起きます。

この水漏れによって、神戸の六甲の山の上にある給水所の水は、すべて金魚鉢の水をホースで引き出すように空っぽになってしまったということです。神戸の人たちは、給水所の水がなくなってしまったため、大阪からの水の供給を待つしかなかったということです。

このような事態が起きたことを踏まえ、行政では、震災時に給水所の飲み水を確保するために、大きな地震が起きた時には、「緊急遮断弁」が自動的に閉じるように設計されています。

さらに、水道管についても大きな地震で、接続部分が外れてしまうことがないように、現在、油圧式リングを入れて、水道管が絶対にはずれないような形にするよう、順次水道管の交換の工事を進めているそうです。ちなみに交換が済んだのは3割くらいだそうです。

各家庭で飲み水の確保が1人1日3リットル必要な訳

「緊急遮断弁」が機能することによって、給水所に水は確保されますが、

そのことはつまり、各家庭には、水道の水が来なくなる。つまり断水するということです。

大規模な震災発生時には、震度6弱で都の職員にもすぐ参集することになっていますが、市民の皆さんと同じ人間でああり、職員自身が被災することもあり、またもし家族が家の下敷きになっているような時は、その救出もしなければならないので、参集はできないことになります。

対策としては、給水所の近くに住む市の職員が給水所にかけつけることになっていますが、すぐに駆けつけて給水体制が取れればいいが、かけつけられない場合もある。だから、給水体制が整わない時のことを考えて、一人、1日、3リットルの水分補給ができるよう各家庭で備蓄をしておいてほしいというお話でした。

1日3リットルはずいぶん多いのではないかという印象ですが、都の職員の方のお話では、通常は、人間は食べ物から半分、飲み物で半分の水分量を摂取していますが、震災時には食料が足りなくなるので、その分の水分も補給する必要があるということです。

食べ物については、震災時は興奮しているので、食べ物を少しぐらい食べなくても乗り切れるが、水がないと半日も持たないそうです。

余談ですがと教えて頂いたお話ですが、冬場の流行病と言わるのが、お年寄りの冬場の脱水症状で、脱水症状で救急搬送される方が多いのこと。
高齢になって食べ物を余り食べなくなると(5分の1くらいの食事になる人も)食べ物からの水の補給も少なくなり、意識して水分を取らないと、こたつで汗をかいて脱水症状になり、気分が悪くなって搬送されることになってしまうということです。

人間の体の60%は水であり、体の中の循環や老廃物の排泄などしていくためには、どうしても3リットルが必要です。
脱水症状になるとふらふらして起き上がれなくなり、さらに進むと死んでしまいます。

各家庭で断水しても水分補給ができよう飲み水の確保をぜひしてくださいということです。

飲み水の備蓄の仕方は?

市販のペットボトルの水は、賞味期限が切れないよう、上手に使っていってください。万が一賞味期限が切れても沸かせば大丈夫です。

また、飲み物が入っていたペットボトルを洗って、水を入れる場合は、口までいっぱいにすること。保管は10日間。
ただし、口を付けて飲んだペットボトルについては、洗っても衛生的に問題があるので、備蓄用にしないでくださいとのことです。

水道水の塩素は、大腸菌やO157の菌を殺すことができます。ただし、3日経つと塩素は密閉容器の中でも無くなるそうです。

ポリタンクを使用する場合は、オレンジ系は石油を使うことが多いので、白いポリタンクを水用と決めておくと迷わなくて良いでしょうとのこと。

このくみ置きの水の管理は実際毎回のこととなるととても大変です。

我が家では、ペットボトルの水を備蓄していますが、家に帰って数を確かめてみたら、家族全員分の量の確保はできていませんでした。

置く場所の確保がなかなか大変ですが、がんばって準備しないと・・・。自分のことは自分で守るしかありませんから。

水さえあれば生きられる。

大変ですけれど、ぜひ皆さん、一緒に水の備蓄をしませんか!?