今日は、八王子市研究団体連絡会・八王子学会主催で、女流俳人、松原庵星布(まつばらあん せいふ)についての講演会があり、参加しました。

松原庵星布についての講演会にて

全く松原庵星布については、私は不勉強でこれまで知らなかったのですが、

八王子にこのようなすぐれた女流俳人がいたことを知って、とてもうれしくなりました。

松原庵星布の研究者小磯純子さんを講師に

八王子で生まれ育った榎本星布は、松尾芭蕉の俳風を伝える伊勢派三庵を称する松原庵三世を継ぎ、数々の名句を生み出しました。

「日本の俳句の流れと星布の足跡」の著者大野聖二さん

日本を代表する女流俳人として、文学に大きな貢献をしたことを受け、その墓と自画像が東京都の文化財になっています。

今回、星布の研究者である小磯純子さんが、講師として、星布の魅力を語ってくださいました。

星布の句が載っている本

星布の由来は、天の川、銀河から来ているそうです。

万葉集から松尾芭蕉まで、古典の勉強をしっかりとした教養あふれる星布だからこそ、

大胆な言葉を俳句に取り上げたり、また宇宙に目線を向けた句を詠んだりと

女性でありながら、スケールが大きい俳風で句を詠むことができたのでしょうか。

星布の句の貴重な短冊

皆さんはご存知でしょうか。

江戸時代の女性俳人で、星布と並び、取り上げられるのが、加賀の千代女でだそうですが、

朝顔やつるべとられてもらい水

この句は結構有名だと思いますが、千代女の女性的な完成に比べ、

星布の俳風は、

天の川終わりは野末の流れかな

いかにして今夜は寝なんわかれ星

のように宇宙的で、すかんとしていて、別の意味での句のよさ、気持ちよさがあります。

全くの不勉強の私が、今日はすっかり星布の魅力にはまりました。

星布が80歳の時、「春山集」という句集を出版しましたが、江戸時代だというのに、その句集の出句者が住んでいた場所は、びっくりするくらい広範なエリアに点在しています。

具体的には、エリアは、川越、飯能、所沢、青梅の当たりから山梨の方面では、勝沼、猿橋、吉田、また八王子を中心に、滝山、川口や柚木、高尾山、拝島、日野、立川、小金井、高井戸、江戸、相原、橋下、淵野辺、長津田、厚着、藤沢、大磯など関東。

そして、京や、名古屋、信州、越後、出羽、二本松などです。

飛脚が句を運んできたという話も出ましたが、こんなことができるのは、ある意味豊かだったんだなと思います。

江戸時代に、時代の最先端の文学を担っていた人物がこの八王子にいたと思うと、わくわくします。

昔の人に負けないくらい、文化を生かしたいいまちづくりを八王子でできたらいいなと思います。

そのためにもまずは、先人の存在をしっかりと知っておきたいと思いました。