10月14日、まちづくり市民講座を開催しました。

講師は、元オレンジページ編集長の唐沢耕さんです。

唐沢さんは、食生活ジャーナリストであり、自らも農業にも携わっていらっしゃいます。また食と健康についてもいろいろと研究考察をされてきました。
今回の講座では、唐沢さんに、「孫子につなぐ食の安心・安全」と題し、食の安全について、農業や食育の現場から見てきた課題についてわかりやすくお話しをしていただきました。

唐沢耕さんを講師に食の安全・安心についてのお話をしていただきました。

あいにく台風が通過した直後になり、風が強い強い日でしたが、天候がよくないにも関わらず、お越しいただき、ありがとうございました。

参加者からは、よい勉強の機会になったととても好評でした。私も長年、食の安全の問題について考えてきましたが、改めて考える良い機会になりました。

2011年の原発事故発生以来、食べ物の放射能汚染が広がり、特に子育て中のお母さんたちからは子どもたちに何を食べさせていいのかわからないという声もたくさん聞かれました。

これまで食品の安全については、添加物、農薬やダイオキシン問題、遺伝子組み換え食品などの課題がありましたが、さらに放射能汚染も加わり、食の安全をどう考えていいのか、あきらめムードになっている方もいらっしゃるかと思います。

元オレンジページ編集長 食生活ジャーナリスト 唐沢耕さんを講師に

今回の講座では、唐沢耕さんから、放射能汚染も加わって、食の安全に不安を感じる時代だからこそ、食品添加物や農薬、遺伝子組み換え作物など避けられるリスクはできるだけ避けていこうとのお話があり、具体的に食品添加物や農薬問題の現状についてお話を伺いました。

減農薬の落とし穴!?
スーパーなどで減農薬と表示がしてあると、農薬の散布回数が減らしてある分、安全だと思ってできるだけ、減農薬の方を選択されている方もいるかと思います。

唐沢さんからは、これまでの野菜の農薬は、雨が降ると流れ落ちてしまうので、長野のレタス農家の人たちは、雨が降ると大騒ぎをしていたりしたけれど、
最近の農薬は、野菜の細胞の組織に入っているので、雨が降っても流れ落ちず、農薬の散布回数を減らすことができるようになってきた。

減農薬といえども、こうした細胞組織に入ってしまう農薬だと、安全とは言えない。
むしろ、ネオニコチノイドのように怖い農薬もある。、今、世界でミツバチがいなくなっていると言われている。
農家は養蜂家からミツバチを借りてきて、受粉をミツバチにしてもらっているが、ネオニコチノイドという農薬が、ミツバチの神経をおかしくしてしまい、ミツバチが巣に帰ってこれらなくなり、全滅してしまう事態になっている。このような農薬は、人間の神経機能にも作用し、影響を与えている可能性があると言われている。
そして、唐沢さんからは、農家の方が、体調が悪く、ネオニコチノイドの農薬使用を止めたところ、改善が見られたという報告があしました。

ちなみにフランスをはじめとし、ドイツ、イタリア、オランダ、デンマークなどヨーロッパの国々では、すでに予防原則考えに基づき、ネオニコチノイドの使用が規制されています。

最近では、ペットボトルのお茶が人気だが、そのお茶の製造には、たくさんの茶葉が必要で、当然、企業の儲けのためには、安い茶葉の方が好まれる。

茶葉の生産には、新茶、一番茶であれば、農薬なしでも生産できるが、4番茶やそして、6番茶にもなると農薬を使うようになり、そもそも新茶や一番茶でも、農薬を使った方が、たくさん生産ができるので、農薬を使うことが多い。こうした背景があり、お茶の農薬にも気を付けた方がいい。

ネオニコチノイドの基準は日本が圧倒的に緩い!

日本のネオニコチノイドの残留基準は、果物全般を比べても、サクランボでは、日本が5、米国1.2、EU0.1で日本が圧倒的に緩い基準が運用されているが、

お茶に関しては、日本は何と30であり、アメリカの1.2、ヨーロッパの0.1に比べて、アメリカの25倍、EUの300倍にもなるということです。

日常的に飲むお茶葉が大量の農薬にまみれていたとしたら、大人でも影響は大きいと思いますが、体の小さな子どもたちにはもっと影響が出てしまうことが予想されます。

唐沢さんからは、ネオニコチノイドの影響を考えると、やはり、農薬のかかっていないいいお茶の葉を使って急須でお茶を入れることをお勧めしますとのことでした。

ミツバチを守ろう!そして私たちの健康も!

唐沢さんからは、ミツバチを絶滅の危機から守るためにも、アメリカに対して、そして、日本に対して、使用規制をするよう求めていきましょう。「消費者である市民の皆さんの声が大切です!」というお話がありました。

ぜひこのネオニコチノイドの問題について、大勢の方に知っていただき、使用規制に向けた発信を一緒にしていただけたらと思います。

下記のURLをクリックして、署名をしていただけるとうれしいです。

https://secure.avaaz.org/jp/save_the_bees_us_pet_loc/?boHdZcb&v=47026

唐沢さんは、藤野で、農薬の問題を認識され、農家の方たちと無農薬の藤野でお茶の栽培にも取り組んで来られたそうです。

原発事故後、お茶の生産は一時停止されたそうですが、放射能測定の結果、安全基準を十分クリアできる値が出たとういうことで
お茶の葉の生産を再開されたそうです。

地産地消といいますが、地域での食の安全を追及しているよいものは、ぜひ地域で買って応援していきたいですね。