7月20日の勉強会、八王子まち創造塾で、私が話題提供として取り上げたテーマは、「自転車で買い物をしやすいまちづくり」です。

八王子では、自転車を利用する人が多いのですが、安全に通行できる走行環境の整備や駐輪場の設置も依然として大きな課題です。

自転車施策については、私も議会でよく質問をしましたが、少しずつ改善してきている部分もあります。

駐輪場対策についての市の取り組みとしては、

自転車駐輪場利用料金を150円から100円へ値下げ
歩道の空きスペースを活用したラック式駐輪場の整備に加え、
最近は、お店の前に、簡易的に、設置をするサインラックという駐輪場の設置も行われるようになり、少しずつ前進はしています。

また、以前から提案をしてきた店舗に対する駐輪場の付置義務については、ようやく、300㎡以上のお店に駐輪場を付置することが義務づけられ、とりあえず、方向性としては、改善に向かっています。
しかし、こうした取り組みは、まだまだ限定的であり、十分ではないと思います。

自転車を利用する方からは、「ラック式の駐輪場に止められた試しがない。」
「お店の前に気軽に止めて買い物できる環境がないので、不便だ。」
「駅前の駐輪場まで自転車を置きにいくのも大変なので、諦めて買い物をしないで帰ってしまう。」
という声をたくさん頂いています。

また、逆に、「ほんのちょっとと、自転車を止めて、コンビニに入り、1分ほどで出てきたにもかかわらず、止めておいた自転車が放置自転車としてトラックに乗せられそうになった。いくら何でも行きすぎではないか。駐輪場がないから、仕方なくほんの少し止めただけなのに。」
といった不満の声もお聞きします。

自転車利用者の方が、車で買い物をする人よりは、気軽に多くの店に立ち寄るというデータがありますが、

八王子のまちで、自転車利用者が、気軽に自転車を止めて買い物ができるよう、環境整備をすることは、自転車利用者にとっても、八王子の商業の活性化という視点からも大切だと思います。

放置自転車対策は有効か?!
駐輪場の設置と放置自転車対策は表裏一体の関係でもありますが、八王子の放置自転車の状況はどうなっているかと言えば、2007年度で、放置自転車数は24,343台。
3年後の2010年度には、約9200台減少となりましたが、依然として15160台の放置自転車があります。
とりあえず減少傾向にある放置自転車数を見ると、放置自転車対策は一定の機能はしているように見えますが、放置自転車の実態をさらに詳しく見てみると、課題も浮き上がってきます。

・放置自転車として撤去された自転車を保管所に取りに行って戻してもらうのに、市民が支払う手数料は、3000円。しかし、実際の放置自転車の管理経費には、市は、4000円持ち出している計算になる。放置自転車対策は、必要ではあるけれど、処理すればするほど、税金の持ち出しになる。

・2010年度の八王子の放置自転車台数は、15160台のうち、自転車が所有者の手に戻る返還率は、59.1%。取りに来なかった4割のうち、一部は、被災地に送ったりして有効利用されているが、ぼろぼろのものも多くほとんどが処分されている。これでは資源、税金の無駄遣いではないか。

・ぼろぼろの自転車を処分するのが面倒で放置する人もいる。安い自転車を、気軽に買って乗り、古くなったら、放置しておけば処分してもらえると考える悪質な人に考えを改めてもらうような対策を取ることも必要ではないか。

・放置自転車対策よりは、むしろ自転車駐輪場整備にお金をかけた方が、利用者にもいいし、税金を有効に使うことになるのではないか。

私からは、放置自転車問題に対し、こうした視点から投げかけをさせて頂きましたが、これに対し、

「放置自転車対策には、大きな課題があると思う。自分の自転車が盗難に遭ってしまい、もしかして乗り捨てられて放置自転車として保管されているのではないかと思ったが、3000円払って取りにいくのもしゃくなので取りには行かなかった。
防犯登録をしているが、自転車の保管所では、なぜ防犯登録の情報を元に、所有者を見つけて、取りにくるように働きかけないのか。

防犯登録を使えば、悪質な自転車の乗り捨ての人たちにも、働きかけを行うことができるのではないか。そのことが放置自転車の減少にもつながるのではないか。」
こんなご意見も頂き、なるほどと思いました。

放置自転車の要因もいろいろあると思います。
ただ、一般的には、やはり、駐輪場整備と放置自転車対策は、表裏一体の側面もありますので、
駐輪場をあちらこちらに設置した方が、自転車利用者にも便利ですし、放置自転車も減ることになり、またお店の繁盛にもつながると思います。

そういう意味では、店舗の駐輪場付置義務については、300㎡以上の店からさらに基準を上げていけば、かなり有効だと思います。

そして、高齢者の方からは、「足が悪くなって、歩いて買い物をするには、重くて荷物が運べないけれど、自転車なら買い物ができる。」とのお話もあります。

生活のサポートという意味でも自転車の駐輪場対策は、とても大切ではないでしょうか。

駐輪場設置や放置自転車対策についても、もっともっと利用者、市民の立場に立って、ていねいに検証していき、時には大きな発想の転換をしていけば、いい施策と税金の使い方ができるはず。
そのことが、もっともっと暮らしやすく、商業の活性化にもつながるいいまちづくりになると思います。

みなさんはどのようにお考えですか!?