財政のあり方、物流拠点の問題点についても取り上げました。

本市は、経済の悪化により、市税収が減収し、2009年度では、個人市民税、法人市民税を合わせて、32億円もの減額補正を行っています。

2010年度予算でもたいへん厳しい財政状況であり、市税収は、42億6000万円の過去最大の減額を見込んだ888億円の見込みです。
臨時財政対策債60億円の活用で借金をし、基金の大幅な取り崩しも行うことになりました。大切な市の貯金である財政調整基金は、67億6千万円あったものが、8億4千万円にまで減ってしまいました。

市債残高は、2009年度決算見込みでは、2411億円であり、2010年度予算において2398億円の残高予定としています。しかしこれはあくまでも予定です。

本市は「返す以上に借りない」の財政規律を守っていくとしていますが、市税収が、見込み通り入ってこなければ、財政規律を守ることは難しくなるのではないか。どうするのか。投資的経費を抑制していくことが必要ではないかと質問しました。
すると「財政規律は守っていく。すでに投資的経費は抑制している」とのことでした。

そこで、市が構想として掲げ、それにともない莫大な税の投入が必要となる大型開発事業、川口地区物流拠点整備構想について質問しました。

物流拠点整備事業では、その実現の前提として圏央道の西インターのフル化がありますが、目処はたっていません。そして北西部幹線道路の整備も必要です。

しかしこの道路は1工区から7工区で440億円かかると試算されてきました。9工区間全部整備するとどれくらいかかるのか、いつ開通する予定か尋ねたところ、試算していない、いつ開通かはわからないとのこと。

年間の市の道路事業費を全部合わせても41億円であり、いったいいつこの道路は開通するのか・・・。この道路の整備によって市財政はさらに悪化することになります。

人口減少による社会構造の変化が将来的に見込まれる中、物流需要予測もしていない状況です。

市長に私財を投げ打って責任を取る企業の社長だったら、果たして手を付けるのかと聞いたところ、「厳しい環境だから取り組んでいく」と答弁がありました。

でも、「財政規律は守る、投資的経費は抑える」と市は答えています。市税収入の状況が厳しければ、絶対に現状でも、そして将来的にも北西部幹線道路には手を付けられないはずです。

#### 物流拠点構想の見直しを!
財政状況が厳しい中、南口再開発事業で、165億円も市税を投入することになったことがさらに市財政を厳しくしました。
市が優先してやるべきは、今ある企業が倒産しないよう、雇用政策を実施し、観光資源を生かした産業振興などできるところから雇用の確保をしていくことが必要です。

そして、市民に対し、大型開発について説明責任を行わないまま、進めていくことは、決して市民の理解が得られない話であり、川口地区物流拠点整備事業の見直しを求めました。